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本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督」(太田出版/新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に「花街アンダーグラウンド」(駒草出版)などがある。

NHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」はガス抜きか

公開日: 更新日:

「ちょっと僕は納得いっていないですね」

 おそらく中谷良のことも初代ジャニーズのこともよく知らない若い世代が窓口になっているのだろう。これでは補償問題もなかなか進展しないはずだ。

 私の知る元Jrは、小学生のころ、ジャニー喜多川元社長から性加害を受け、トラウマとなって、その後、女性と交際して手をつなごうとするたびにフラッシュバックで元社長が顔を出す。その結果うつになり、長いあいだ心療内科に通っていた。

 番組は、タブー視されてきたジャニーズ事務所とNHKの深い関係に触れ、ジャニーズ所属タレントを何度も起用してきたドラマ担当の最高責任者を直撃している。

 だが攻めた内容という割には、表面的である。路上で直撃した元理事は、すでにNHKの人間ではなく、今まで深い関係にあった現役の人間は登場もしないし、発言もしていない。

 急転直下、中谷氏の墓参りをする姉と東山紀之スマイルアップ社長。

 番組ラストで、2024年10月16日から旧ジャニーズ事務所所属タレントの出演を解禁することを告知した。今回のNHKスペシャルは批判に対応した一種のガス抜きとも考えられるのだ。

【連載】本橋信宏 萌える火曜日

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