NHKは「人権より視聴率」で旧ジャニーズ解禁の愚…「活躍や話題性を理由に起用」は“方便”

公開日: 更新日:

 NHKが16日、定例会長会見で旧ジャニーズ事務所のタレントの起用を再開すると発表した。

 稲葉延雄会長は「被害者への補償と、再発防止への取り組みに加え、両社の経営の分離も着実に進んでいることが確認できた。こうしたことから、10月16日をもって、制作現場の判断で出演依頼を可能とする」と発表。例年11月中旬に紅白の出場歌手の発表があるだけに、このタイミングでの解禁宣言は“紅白”対策であることは明らか。ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による児童性加害問題について「これで全て終わったわけではない」とは言うものの、昨年の低視聴率を踏まえれば確実に数字が見込める旧ジャニーズ勢には喉から手が出るほど出演してほしいはず。しかしながら、NHKのまるでミソギを終えたかのような態度は、被害者の人権よりも視聴率の方が優先だと宣言したに等しい。

「旧ジャニーズを引き継ぐスマイルアップ社もスタートエンターテイメント社もメディア各社の会見開催要請には一切応えないままダンマリのまま逃げ切るつもりでしょう。カレンダーも発売再開になるし、なし崩し状態です」(マスコミ関係者)

 スタート社で紅白出場候補として名前が挙がるのがSnow Manなにわ男子である。「Snow Manは新曲リリースのたびにSNSもバズり、各メンバーの活躍も目覚ましく、事務所内でダントツの人気を誇る。「なにわ男子は特にティーンに人気。若者の視聴率をとりたいNHKからすれば絶対に外せない」(テレビ関係者)という。

■「天声人語」も猛批判

 芸能リポーターの川内天子氏はこう言う。

「今年は、Creepy Nutsほか初登場候補が粒ぞろいで、ボーイズグループも増えていますが、旧ジャニーズのタレントを何が何でも起用したいということでしょう。辞めジャニのNumber_iも出場が確実視されていますから、Snow ManとSixTONESが出場すれば、3組ともタッキー社長プロデュースで話題になるし、King & Princeが出場すればNumber_iとの共演でも話題になる。性加害問題は解決に至っていませんが、NHK的には今年の活躍や話題性を理由に起用したという言い訳ができます」

 17日の朝日新聞「天声人語」は「いくつものなぜに、旧ジャニーズ側は具体的に答えようとしていない」「今年の紅白歌合戦を、私は楽しめないかもしれない」と書いたが、これが常識的な感覚だろう。人権よりも数字を優先し、紅白のV字回復をもくろむNHKは愚かというしかない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン