山下洋輔さんのヒジ奏法は筒井康隆さんの小説が影響した

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 ジャズピアニストの第一人者で、母校の国立音楽大学の招聘教授、エッセイストでもある。公私ともに影響を受けたのが、親交の深い作家、筒井康隆さんだ。

「最初に出合って衝撃を受けた作品は、SFマガジンに1965年に掲載された『東海道戦争』。東京と大阪との戦争を描いたSFです。それ以来、ぼくは“筒井中毒”(笑い)。学生の頃は、アーサー・チャールズ・クラークやアイザック・アシモフ、ハインラインのSFを読んでましたが、それらにはない筒井さんの発想や文体、リズム感に惚れ込みました」

 取材日にかばんに入っていたのは「虚航船団」(84年)。文房具船の文房具たちと凶悪なイタチ族との戦争モノ。

「とんでもないスケールでしょう。1ページ読むのにかなり時間がかかるから、長距離の移動にはありがたい。実は深い話らしく、歴史に詳しい人は『ヨーロッパ史のパロディーだ』といいますね。フランス革命やヒトラーの台頭などらしい。筒井さんの作品は予言の書でもあるんです。だから、今読んでも面白い。『最後の喫煙者』(87年)は、喫煙が罰せられる社会で、必死に逃げ隠れしながらたばこを吸っている男が主人公。あれは、人に何も危害を加えてないのに攻撃されるキングコングのパロディーですね。『48億の妄想』(65年)は、テレビニュースが面白くなくて飽きられて、どんどんバラエティー化するという話。今まさに日本のテレビはその道を歩んできた。だから、人類はいつか文房具に襲われるかもしれませんよ(笑い)」

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