「ニートゥチェストプッシュオフ」楽そうに見えて実はめちゃキツい!
ニートゥチェストプッシュオフ
筋トレは、正しいフォームで行わなければ狙った筋肉を鍛えられない。今回、スポーツジム「PLAYGROUND」銀座店のエグゼクティブトレーナー、KENICHIさんに指導をお願いしたのは、ニートゥチェストプッシュオフ。お腹の引き締めと体幹強化、体全体のバランス力アップが期待できる。
「自宅で行う場合は、クランチなどの定番メニューと組み合わせるのもいいですよ。たとえばクランチを10回行い、その合間にニートゥチェストプッシュオフを10秒行って、またクランチに戻る。この流れがオススメです」(KENICHIさん=以下同)
ニートゥチェストプッシュオフの正しいやり方はこうだ。
床の上で体育座りになる。両脚を持ち上げて、かかとが膝と同じ高さになるように保つ。お腹に力をしっかり力を入れて背中を少し丸め、両手で両膝を力いっぱい押す。その力に対抗して、膝で手を押し返すように両脚をぐっと胸に寄せる(写真A)。手と脚が均衡する力で押し合っていれば正解。このとき呼吸は忘れずに、息を止めないように注意。20秒を1日3~4セット行う。
ニートゥチェストプッシュオフの間違いやすいポイントは次の3つだ。
【手を置いただけになっている】
手をふんわりと膝に置いたままの人が多い。
「それでは均衡とならないので、必ず両手と両膝は強い力でぐーっと押し合うようにしてください。難しい場合は、まずは両手で強く膝を押し、次に両膝で手を強く押し返す。これを交互に行い、感覚をつかむといいでしょう」
【背中がまっすぐになっている】
「背中をまっすぐにして、なおかつ少し後ろに倒し気味にして行う人もいます。これでは腹筋の力が抜け、引き締め効果が半減します。必ず背中は少し丸め、お腹に力を入れてからチャレンジしてください」
【かかとが下がっている】
かかとの位置は膝と同じをキープ。疲れてくると、かかとの位置が下がってくるが(写真B)、これでは腹筋に入れた力も逃げてしまう。「下がってきたな」と思ったら、しっかり脚を上げ直そう。
「股関節が硬い人は、最初は脚を上げることさえやりづらいかもしれません。でも股関節は使うこと、動かすことで柔軟性が高まっていくもの。最初『やりづらいな』と思っても、できる範囲の秒数でいいので頑張って続けるようにしてください」
記者もやってみた。KENICHIさんのお手本を見たときの正直な感想は、「そんなにキツそうではないな」だったのだが、自分がやってみるとその印象は大きな間違いであるとわかった。写真では手を膝に置いているだけに見えるかもしれないが、実際は強い力で押し合っているため、数秒やっただけでも腹筋がプルプルと小刻みに震えてくるほど。お腹周りにかなり強い負荷がかかっている証拠だろう。