ジュニア退所は「timeleszのせい」...何かと批判が飛ぶ“タイプロ”、一般人加入問題の根底にあるものは
ジュニア退所が飛び火
6月2日、STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所。以下、SE社)のジュニア内グループ・Go!Go!kidsの17歳のメンバーが、今月いっぱいで退所することを公式有料ブログで明かした。
2019年に事務所に入所して以来、6年間ジュニアとして活動してきたが、「新たなステージ」に挑戦するため、退所を決意したという。
ただ、ジュニアファンが気にかけたのは、彼のグループ活動に未練があるような文言と、「未来が見えない」という悲しい言葉だ。そして、6年間ジュニアとして鍛錬を積んできたまだ17歳の彼にそう言わしめたのは、「timeleszのせい」、「タイプロのせい」だと、とんでもない角度で飛び火してしまっている。
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「一般人」加入問題の根底にあるもの
佐藤勝利(28)、菊池風磨(30)、松島聡(27)の3人となった旧Sexy Zoneは、昨年4月にtimeleszに改名し、オーディション番組「timelesz project -AUDITION-」(Netflix。以下、「タイプロ」)を経て、新メンバー5人を迎え入れた。そのうち3人は、ジュニアを経ずデビューグループであるtimeleszに加入したため、SE社ファンから何かにつけては「一般人」と揶揄されていた。
件のジュニアが「未来が見えない」と感じたのも、ジュニア経験の無い一般人が急にtimeleszになり、華々しく活躍しているからだ、と「タイプロ」を良く思っていなかったSE社ファンからバッシングが起こり、ネットは荒れに荒れた。
確かに、「タイプロ」以前には、ジュニアを経ずにデビューグループに一般公募で新メンバーが加入することは無かった。しかし、旧メンバーの脱退などでグループのパワーが落ちていく中で、菊池が提案した「タイプロ」は、間違いなくSE社ファン以外にも波及し、大成功を収めた。
この菊池の提案は、旧事務所だったら叶っていなかっただろう。創業者問題が起きて、まさに事務所が生まれ変わろうとする中、タレントと事務所、そしてメディアと事務所の関係性が以前より健全化している。
その結果、旧事務所の影響力が落ちる一方で、力をつけている他事務所のボーイズグループに対抗するためにも、「タイプロ」は必要だった。
「開かれた事務所」という印象に繋がる
そもそも、旧事務所時代のジュニアは数百人いる中で、特段の契約も無く、声がかかれば仕事があるが、気が付いたらフェードアウトしてしまうような、不安定な存在だった。
今では当時と比べ多くのジュニアが、大所帯グループを含めいずれかのジュニアグループに所属している。だが、旧事務所では、今よりグループ無所属のジュニアが多かった。
そして、ジュニアとしての鍛錬の期間に関わらず、ひっそりと自らの意思で辞める者、全く芽が出ず辞めざるをえなかった者もいて、ファンはその全てを把握出来てはいなかっただろう。
また、すべてのデビューグループメンバーが、そうした外からは見えづらい閉鎖的な世界で、特定の人物の判断によってのみ決定される危険性は、創業者問題で明らかになっている。内部の人間であるジュニアと、外部の人間である一般公募組のどちらもがデビューグループを目指すことが出来るのは、開かれた事務所であるという印象にも繋がる。
デビューグループ、もしくはデビューに限りなく近いジュニアグループ所属ではないジュニアが、「退所の発表」が出来るだけでも、随分時代は変わったと感じる。
外野の声に惑わされないでほしい
変革は時に痛みを伴うものだが、現事務所はデビューグループも、ジュニアも、最善の形でファンの前に送り出せるよう試行錯誤している最中だろう。その中で、デビューが難しいと感じられるジュニアに対しては、20代、30代といつまでも希望を持たせることはせず、新しいステージに送り出す。それもまた、事務所の誠意であり、務めなのではないだろうか。
timeleszは、冠番組が続々と決まり、新メンバーだけでバラエティ番組、ドラマ出演もこなすなど、破竹の勢いだ。外野の声に惑わされず、自分達の力で自らの決断を正解にして欲しい。
(こじらぶ/ライター)