大阪府のコロナ感染状況は全国ワースト…吉村知事「ヒトラー発言」でイキっとる場合か

公開日: 更新日:

 立憲民主党の菅直人元首相が自身のツイッターに投稿した「ヒトラー発言」を巡り、連日“口撃”を続けている大阪府の吉村知事。27日の定例会見でも、「立憲民主党の対応を待ちたい」と改めて謝罪を要求した。ここぞとばかりに批判を繰り返すのは、オミクロン株対策の“大失敗”から注意をそらしたいからか。

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 騒動のキッカケは、菅氏が日本維新の会や創設者の橋下徹元大阪府知事について、〈主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす〉とツイッター上で発信したこと。橋下氏はもちろん、維新の副代表を務める吉村知事も「とんでもない発言」と戦列に加わり、27日の会見では「本当に民主党政権が終わってよかったなぁと心から思います」「二度と来ないでいただきたい」──とまで言い放った。

 やたら強気な姿勢を見せているが、他党にイキっている場合なのか。足元はボロボロだ。

 大阪の27日の新規感染者数は9711人と、2日連続で9000人超え。「札幌医大フロンティア研ゲノム医科学」のデータによると、人口100万人当たりの入院・療養患者数(7日間平均)は26日時点で6892.5人と全国ワースト。同時点の人口100万人当たりの新規感染者数と重症者数も全国ワーストで、死者数はワースト3位だった。

保健所は完全にキャパオーバー

 こうした惨状のシワ寄せを受けるのは、現場の職員たちだ。感染爆発によって人口の多い大阪市内では連日、救急対応件数が多発し、出動体制が逼迫。終わりの見えない感染拡大に、大阪府関係職員労働組合(府職労)の元には保健所職員からの悲鳴が殺到しているという。

「第5波で長時間労働を強いられた保健師らは『また感染の波が来たら……』とトラウマに近い状態でしたが、第6波はそれを超える惨状です。患者へのファーストタッチが遅れる、いわゆる『積み残し』が続出し、感染発覚から数日後の連絡を余儀なくされるなど、完全にキャパオーバーです。医療や保健所への負担軽減を意図してか、府は医療機関の受診をしなくても自宅療養を始められる『みなし陽性』の導入を検討していますが、自宅療養になった人を保健所が管理するとなると、結局は負担増につながりかねない。知事には現場の声をよく聞いて欲しいと思います」(府職労の小松康則委員長)

「吉村府政が終わってよかった」「二度と来なくてエエ」と言われる日も近いか。

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