首都直下地震でもっとも怖い「東京湾北部地震」と未解決の「火災旋風」リスク
──関東在住の人が一番警戒すべき首都直下地震は?
首都直下地震でいちばん怖いのが東京湾北部地震です。それは東京湾の近くの隅田川の下流や中央区の月島の下あたりが震源域で、この地震が首都直下地震のなかで最も被害が大きいと予想されています。首都直下地震は規模については最大マグニチュード7.3で防災対策が立てられています。それが 3500万人以上が暮らす首都圏の真下で起きたら怖いですよね。2021年12月の富士五湖の地下を震源とする地震はマグニチュード4.8で、7.3はその地震の1000個分ですから首都直下地震の大きさのイメージが湧きますよね。
──首都直下地震が発生でもっとも懸念される問題は?
道路の環状6号線と8号線の間は「木造住宅密集地域」に指定されていて、火災旋風などが起こる可能性が高いです。地震で倒壊した家屋に火がついて、火災が瞬く間に広がり竜巻のような激しい火柱が起きる現象です。この問題はまだ解決されていません。さらに、首都圏にまだ多数残っている老朽化した建築物の問題もあげられます。私はこの警告を20年以上しているけれど、この20年分にどんどん建物が古くなっているんですよね。それから橋や道路など公共インフラも経年劣化で弱くなっている。この問題への対策を、今のうちから考えないと大変なことになる。行政などの関係者も含めて国の予算補充も重要だし、企業では事業継続計画(BCP)を直ちに立てて欲しい。こうしたことを講演会で広くみなさんに伝えています。ぜひ災害が起きる前に、『大人のための地学の教室』(ダイヤモンド社)などで 正しい知識を補充するスタートを切って欲しいです。
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