「スタンバイ状態が続いている」…地球科学者が語る富士山噴火の可能性
地球科学者、火山学者は「何月何日に噴火」とは言えませんし、現代の科学はそこまで追いついていません。たしかに富士山は噴火のスタンバイ状態でいつ起こってもおかしくない。前回噴火した1707年にはその前に200年休んで、江戸の町に5センチメートルの火山灰を積もらせましたが、今回はすでに300年休んでいます。その分たまったマグマを全部放出すれば大きい被害になることは間違いありません。
──予兆はありますか。
火山の場合、噴火する1か月くらい前には兆候があります。地震のように突然ではないです。
──噴火の被害について。富士山ではマグマだまりから放射状にのびる火道によってできた「側火口」での噴火しか起きていない。想定できる被害は?
今から2200年前より後の富士山では、山頂の火口を使っていない。よって、次回の噴火も山腹に穴を開けることが想定されます。もし、静岡県側に穴を開けて大量の溶岩が出れば新幹線、東名高速道路、第2東名を分断します。また過去の資料からも、火山灰が降り積もる範囲にちょうど今の首都圏があります。静岡・山梨・神奈川以外では、東京のほぼ全域、埼玉と千葉の一部エリアでは火山灰が2~10センチも堆積するとみられています。