LDH系の塩顔男子、初デートで「米しか食べない」宣言→レタスをパクパク…って何!?【私の恋愛 失敗談】
画面越しの“いい人”がまさかの!
いまやカップルの4組に1組がマッチングアプリで出会う時代。気軽に恋人探しができる一方で、画面越しの“いい人”が、実際に会ってみるとまるで別人だった…なんて経験をした人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな“ギャップの大きすぎる彼”との初デートで衝撃を受けたというカオリさん(仮名・30歳/広告系事務)にお話を伺いました。やりとりは盛り上がっていたのに、実際に会ってみると彼から飛び出したのはまさかの一言──
カオリさんが当日の会話、態度、違和感の正体。そして、そこから学んだ“本当に大切なこと”とは?
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鈴木伸之の塩顔男子「会えるの楽しみ」
マッチングアプリで出会った彼は、最初からとにかく愛想がよかった。
絵文字やスタンプを混ぜたメッセージは、毎晩寝る前に読み返したくなるほど気が利いていて、話題も豊富。しかも返信が早い。共通の趣味や好きな食べ物まで一致して、やりとりを始めて3日目には「この人とは、会ってもきっと楽しいんだろうな」と期待してしまっていた。
私は当時29歳、広告系の事務職。週3リモートで働く、わりと穏やかな毎日。友人には「小松菜奈を庶民寄りにした顔」といじられる程度には、地味で派手さはないけど愛嬌があるらしい。
彼は33歳、IT系ベンチャーの営業マン。プロフィール写真はスーツ姿で、笑顔が爽やか。元劇団EXILEの鈴木伸之をもう少し線細くしたような塩顔で、なんというか、品の良さそうな人だった。
「緊張するけど、会えるの楽しみにしてるね」
前日の夜に送られてきたそのLINEで、私は完全にときめいてしまった。
「オレ、米しか食べないんだよね」って、えぇ?
日曜のランチ。場所は都内のおしゃれなビストロ。私は白のブラウスにベージュのワイドパンツ、軽く巻いた髪と控えめな香水。待ち合わせに現れた彼は、写真そのまま…というより、少し痩せて疲れて見えた。
「やっと会えたね」
そう言った彼は、まるでスクリプトを読み上げているかのようなテンションで、目もほとんど合わせてこない。
店に入っても、その違和感は強まるばかりだった。彼は渡されたメニューに一瞥をくれると、すぐにスマホを取り出してカタカタとタイピングを始めた。
仕事かな? と思って黙っていたけれど、その手は一向に止まらない。「何にする?」と聞いても、目を合わせず「なんでもいいよ」。
いや、“なんでもいいよ”って、選ぶ気ゼロすぎない? 仕方なく私が先にパスタを注文してメニューを閉じると、ようやく彼が顔を上げて言った。
「てかさ、オレ、米しか食べないんだよね」
……ん? 今なんて?
「基本、白米じゃないと無理で。小麦系、あんま得意じゃなくて」
ここ、パスタとピザしかないんですけど。彼は「まあ、じゃあサラダでいいや」と言い、またスマホに視線を戻した。
LINEでの彼はどこへ行ったの?
そこからの1時間、私はほぼ独り言だった。
話を振っても「ふーん」「そうなんだ」のワンパターン。おまけに、私の話の途中でスマホをいじる始末。店の雰囲気や料理に何の感想も言わず、目の前のレタスをひたすらつついていた。あんなにLINEでは饒舌で、テンポも良くて、優しい言葉をたくさんくれたのに。リアルな彼は、言葉も視線も、まるで別人のようだった。
食後、お店を出た瞬間、彼がぼそっと言った。
「うーん、やっぱちょっと…気が合わないかも」
──いや、それはこっちのセリフでしょ。
その後、彼からの連絡はなく、私も送らなかった。LINEは未読のまま、静かに消えた。
違和感を無視しなくてよかった
期待していたぶん、少しだけショックだった。けれど今となっては、“それっぽく振る舞うのがうまい人”に引っかかっただけだと分かっている。
文章がうまい=誠実、ではない。マメな返信=思いやり、でもない。
あの日、目を合わせずレタスだけ食べていた彼が、私に教えてくれたのは、そんな当たり前のことだった。
ちなみに今でも友人に聞かれる。
「で、何食べてたの?」
「レタス。白米がないって文句言って、レタスだけ」
今ではすっかり、笑える鉄板ネタになっている。
恋の失敗は、時間が経てば笑い話になる。でもそのときの私は、ちゃんと落ち込んでいた。だからこそ、あのときの自分にこう伝えたい。
「その違和感、無視しなくてよかったよ」
(まゆう)