延命治療を希望するか否か…本人や家族の意志も事前に確認
親を介護施設などに入所させた時、延命治療に関する意思確認書の提出を求められることがある。家族としては「縁起でもない」「まだ元気なのになぜ?」と戸惑ってしまうが、実は決して珍しいことではない。
施設としては要介護状態の高齢者を預かる以上、最悪の状況を考慮しなければならず、万一の時、どこまで治療をすべきなのか。本人の意識がなかったり、家族とすぐに連絡が取れないことを想定し、本人や家族の意思をあらかじめ確認しておく必要がある。その内容はおおむね次のような質問で構成されている。
・心停止や呼吸停止といった急変時の蘇生を希望するか?
・蘇生を希望する場合、どこまでか? 心臓マッサージや人工呼吸、気管切開など
・終末期の医療はどの形を望むか? 「入院などで積極的に」「施設内で看取りケア」など
・終末期を迎えたい場所はどこか? 自宅、病院、介護施設など
・食事・水分摂取が困難になったらどの対応をするか? 胃ろう、点滴、中心静脈栄養など
自分の命なので決めるべきは本人なのだが、急な質問に戸惑い、専門用語に混乱することが多い。家族がしっかりフォローしながら、わからないことは担当職員に何度でも確認するよう心掛けたい。