「ルポ薬漬け」山岡淳一郎著
「ルポ薬漬け」山岡淳一郎著
ノンフィクションライターの著者が精神科・内科クリニックを受診し、内科の臨床研修医に、原稿の執筆が立て込むと眠れないことがあると話すと、抑うつ状態だと言われ、睡眠薬を処方された。これが向精神薬の「薬漬け」の始まりか。向精神薬には、めまいなどの副作用や依存性がある。
日本の医薬品費の対GDP比は先進国で最も高い。その背景には「政治とビジネス」が絡む。コロナ禍の際、当時の菅義偉首相はアメリカのファイザーやモデルナからワクチンを大量に仕入れた。精神科の医療は、国に「薄利多売」の収益構造を押しつけられている。
「薬漬け」を生む日本の精神科医療の闇に斬り込むルポルタージュ。
(地平社 1980円)