「節約なんて楽しくない!」専業主婦になった元バリキャリ妻の大きな後悔。23年の結婚生活で失ったもの
45歳、再就職先が決まらない!
男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人差があります。ひとつの出来事への解釈や目的が、男性と女性では異なる場合もしばしば。男性と女性では、夫婦のあり方への認識が大きく異なる場合も。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意とする並木まきが、そんな男女の“冷酷” と“激情”のあいだを垣間見るエピソードをお届けします。
【冷酷と激情のあいだ〜女性編~】
現在45歳の紀江さん(仮名)は、結婚23年目。30代前半で出産を機に退職をして以降、ずっと専業主婦をしてきました。
しかし2歳年上の夫・ヒデアキさん(仮名)の会社の業績がコロナ禍をきっかけに下がってしまい、現在も回復していません。そのため、収入は上がらないどころか、以前よりも下がったままの状態が続いています。
「このままじゃ生活がカツカツどころか破綻しかねないので、私も働きに出ることにしたんですよ。いろんなアプリに登録して、就活を始めたのですが、希望の職種は全滅。一次すら通らずに、苦戦しています。
自分で言うのもナンですけど、私、将来を期待されていたエースだったんですよ…! それなのに、いざ再就職を探したら全滅だなんて…。プライドも折れそうですし、悔しくて仕方ありません」
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専業主婦を選んだのは…
紀江さんが専業主婦になったきっかけは、夫と義両親からの強い勧めがあったため。
当時はまだ共働き夫婦が今ほどは多くなかったため、義両親からは「仕事に明け暮れるよりも、子育てに専念したほうがいい」と、また夫からも「俺の稼ぎだけで十分にやっていけるんだから、君は子育てを頑張って」と言われたのだとか。
それらの言葉に素直に従ったと紀江さんは言います。
「あの頃は今みたいに不景気になるなんて想定もしていないですし、コロナ禍で夫の会社がダメになりかけるなんて思ってもいないし。
まぁ私も呑気でしたけど。あまり深く考えずに長いこと、専業主婦をしてしまったのが悔やまれます」
夫なんて信じなければよかった
紀江さんは現在のカツカツ生活に強い不満を抱えていて「節約はちっとも楽しくない」と涙目で訴えます。
「こんな生活が苦しくなるなんて思いませんでした。あのとき夫が『専業主婦として、子育てだけを頑張って』なんて言わなければ、私は子どもを保育園に入れてバリバリ働いて、今頃は間違いなく管理職だったはずなんです!
それなのに夫なんかの言葉を受け入れたせいで…。そもそも夫の見通しが甘いんですよ。こんなに、リスクヘッジができない男だとは…。我が夫ながら、本当に情けない」
こんなはずじゃなかった!
紀江さんは自分がキャリアを捨てたのは、“全て夫のせい”だと何度も主張します。
「夫は、信じられないことに、私の再就職に対して『高望みせずに、近くでパートでも探せば』って言ってくるんですよ? どこまで私のことを小馬鹿にしているんだか…。
私は本来なら、夫なんかよりも優秀だし学歴も上なんです。それでもキャリアを捨てて専業主婦になったのは、夫の言葉を信じたからですよ。
あの時『俺の給料だけでやっていけるんだから、安心して子育てに専念して』なんて言っていたのは夫ですよ?
ならば、夫が土日にアルバイトでもして穴埋めするべきなんです。それなのに、偉そうに私にパートをしろだなんて…」
今後も就職活動は続けます。でも希望の職種に就けなかったら、夫にどう責任をとってもらおうかしら。ああ、本当にこんなはずじゃなかったのに!」
紀江さんの嘆きと憤りは日に日に強まるばかりです。