後悔の少ない決断法「10─10─10ルール」…時間的な視点を持つ
私たちは何かを決めるとき、つい「今、楽しいか」とか「今、得をするか」といった目先のことに目を奪われがちです。人生の中で何かを決めるとき、後悔の少ない良い決断はあるのか? そのヒントとなるのが、カリフォルニア大学バークレー校のセネカルとアイダックの研究(2015年)です。
この研究では、ストレスを振り返る際に、「遠い未来の視点」を持つと、「近い未来の視点」や「特に視点を持たない場合」よりも、ストレスやネガティブな感情が軽減されることが判明したといいます。つまり、人は過去のネガティブな出来事を振り返るときに、「どのような時間的な視点を持つか」によって、その出来事への感情的な反応が変わるというわけです。
この思考術を応用したものが、ジャーナリスト兼作家であるスージー・ウェルチが考案した「10-10-10ルール」と呼ばれる考え方です。
彼女は著書の中で、ある決断が10分後、10カ月後、そして10年後にどのような影響をもたらすかを考えることで、感情に流されず、短期的な利益だけでなく長期的な視点から物事を捉え、後悔の少ない選択をすることができると説明しています。