EVでも中古ならグー!新世代ミニの本命はコイツかも? 新型エースマンはサイズよし、価格&走りよし
ミニ エースマン(車両価格:¥5,130,000/税込み~)
日本でもすっかりお馴染みのキュートコンパクト、BMWミニ! クラシカルな英国調デザインに、BMWプロダクトならではの質の高さと走りが素晴らしく、筆者も長年乗ってたが、最近出揃った新型に対してはちと悩みがあった。
まず23年末にSUV版「カントリーマン」が初上陸。続いて24年春にカントリーマンのEVとコンパクトハッチの「クーパー3ドア」が、24年6月に新車種「エースマン」と「クーパー5ドア」が上陸。同10月にはレアな4人乗りコンバーチブルも出て全6タイプが揃った。
しかし、どれもビミョーに帯に短しタスキに長しで、カントリーマンは旧型クロスオーバーよりデカくなっちゃってるし、クーパーは相変わらず車内狭め。かといって新車種エースマンEVはイマイチ馴染みがないうえ、ミニ初のEV専用モデル。どれも決定打に欠けていた。
ところが、先日初めて乗った新型エースマン。最初はバッテリーEVってことで色眼鏡で見ていたが、乗れば乗るほど、サイズ的にも走り的にもファミリー向け。特にミニらしいコンパクトさとゴーカートフィールの両立は他にないバランス。しかも、今回たまたまミニ専門店で試乗した中古エースマンなら、EVで問題になる補助金問題もほぼ気にならない。
いろんな意味で新世代ミニではベストかも? という結論に達したのだ。
サイズ感は日本にジャスト!
最大のキモはサイズ感で、全長4mちょい(4,080mm)はトヨタ ヤリスクロスよりも確実に短く、全幅1,755mは同等か厳密には狭めの日本ジャストサイズ。見てくれもミニらしいキュートさを備えている。ハッチバックのような丸目LEDではないものの、三角に近い5角形LEDヘッドライトで、ほど良いタレ目感があるのだ。
さらに絶妙なのが全高で、一応SUVモデルなのでハッチのクーパー系より高いが、1,550mmと日本の立体駐車場にギリギリ入るサイズでコイツが便利。
実際乗ってみるとよく分かるが、視界は高すぎず低すぎず、乗り降りも地べたに座るような大変さナシ。年配でもラクに乗り降りできる、ちょうど良い高さなのだ。
気になるリアシートだが、正直本格SUVのミニ カントリーマンほどの余裕はないが、狭くもない。クーパー5ドアと言うほど変わらない広さだが、実はラゲッジスペースが300ℓあって、やはりクーパー系より便利。
さらに、ミニならではのデジタル性能やオシャレインテリアだが、ここはクーパー系もカントリーマンも全く同じで、新世代ミニ自慢の直径24㎝の世界初の円形有機ELディスプレイや、リサイクル材を使ったアルミパネルや麻風ファブリックを使い、ポップでクール。メーター類もフロントウィンドウに投影するヘッドアップディスプレイでシンプルさが凄い。
中古車なら異様にお買い得
肝心の走りだが、クーパーとSUVカントリーマンとの中間か、クーパー寄りの俊敏さがあって、「ミニらしい走り」が欲しいヒトにはやはりコレだろう。正直、全長4.4m台のカントリーマンになるとステアリングフィールはシャープなのだが視線が高く、ちょっとしたダルさがどうしても残る。
加速感もガソリンエンジン車のような生々しさやサウンドこそないものの、新世代の電動ミニらしい浮遊感あるクイック感=ゴーカートフィールが楽しめるはずだ。
最後の課題は、全般的に上がった新世代ミニの価格問題。パワフルな218psのエースマンSEが562万円、184psのエースマンEが513万円と安くないが、中古ミニ専門店イールに聞くと、1年落ちSEが400万円前後、Sが300万円前後とイッキに100万円以上も値下りしている。いま日本はEVが不人気なので、中古車価格に反映され、異様にお買得な状態が続いているのだ。
もちろんこれがどこまで続くかは保証できないが、この状態ならばCEV補助金を貰った新車エースマンより安く、早めに手放した場合の補助金返却問題もなくなる。
EV関係の補助金は現在、単純に4年保有しないと返却する義務が生じるのだが、それが関係なくなるのだ。
好きな時に買えて、好きな時に売れる中古エースマン。そもそもエースマンのサイズや走りが気に入ればこそだが、ぜひ一度試していただきたい1台なのである。