著者のコラム一覧
小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

EVでも中古ならグー!新世代ミニの本命はコイツかも? 新型エースマンはサイズよし、価格&走りよし

公開日: 更新日:

ミニ エースマン(車両価格:¥5,130,000/税込み~)

 日本でもすっかりお馴染みのキュートコンパクト、BMWミニ! クラシカルな英国調デザインに、BMWプロダクトならではの質の高さと走りが素晴らしく、筆者も長年乗ってたが、最近出揃った新型に対してはちと悩みがあった。

 まず23年末にSUV版「カントリーマン」が初上陸。続いて24年春にカントリーマンのEVとコンパクトハッチの「クーパー3ドア」が、24年6月に新車種「エースマン」と「クーパー5ドア」が上陸。同10月にはレアな4人乗りコンバーチブルも出て全6タイプが揃った。

 しかし、どれもビミョーに帯に短しタスキに長しで、カントリーマンは旧型クロスオーバーよりデカくなっちゃってるし、クーパーは相変わらず車内狭め。かといって新車種エースマンEVはイマイチ馴染みがないうえ、ミニ初のEV専用モデル。どれも決定打に欠けていた。

 ところが、先日初めて乗った新型エースマン。最初はバッテリーEVってことで色眼鏡で見ていたが、乗れば乗るほど、サイズ的にも走り的にもファミリー向け。特にミニらしいコンパクトさとゴーカートフィールの両立は他にないバランス。しかも、今回たまたまミニ専門店で試乗した中古エースマンなら、EVで問題になる補助金問題もほぼ気にならない。

 いろんな意味で新世代ミニではベストかも? という結論に達したのだ。

サイズ感は日本にジャスト!

 最大のキモはサイズ感で、全長4mちょい(4,080mm)はトヨタ ヤリスクロスよりも確実に短く、全幅1,755mは同等か厳密には狭めの日本ジャストサイズ。見てくれもミニらしいキュートさを備えている。ハッチバックのような丸目LEDではないものの、三角に近い5角形LEDヘッドライトで、ほど良いタレ目感があるのだ。

 さらに絶妙なのが全高で、一応SUVモデルなのでハッチのクーパー系より高いが、1,550mmと日本の立体駐車場にギリギリ入るサイズでコイツが便利。

 実際乗ってみるとよく分かるが、視界は高すぎず低すぎず、乗り降りも地べたに座るような大変さナシ。年配でもラクに乗り降りできる、ちょうど良い高さなのだ。

 気になるリアシートだが、正直本格SUVのミニ カントリーマンほどの余裕はないが、狭くもない。クーパー5ドアと言うほど変わらない広さだが、実はラゲッジスペースが300ℓあって、やはりクーパー系より便利。

 さらに、ミニならではのデジタル性能やオシャレインテリアだが、ここはクーパー系もカントリーマンも全く同じで、新世代ミニ自慢の直径24㎝の世界初の円形有機ELディスプレイや、リサイクル材を使ったアルミパネルや麻風ファブリックを使い、ポップでクール。メーター類もフロントウィンドウに投影するヘッドアップディスプレイでシンプルさが凄い。

中古車なら異様にお買い得

 肝心の走りだが、クーパーとSUVカントリーマンとの中間か、クーパー寄りの俊敏さがあって、「ミニらしい走り」が欲しいヒトにはやはりコレだろう。正直、全長4.4m台のカントリーマンになるとステアリングフィールはシャープなのだが視線が高く、ちょっとしたダルさがどうしても残る。

 加速感もガソリンエンジン車のような生々しさやサウンドこそないものの、新世代の電動ミニらしい浮遊感あるクイック感=ゴーカートフィールが楽しめるはずだ。

 最後の課題は、全般的に上がった新世代ミニの価格問題。パワフルな218psのエースマンSEが562万円、184psのエースマンEが513万円と安くないが、中古ミニ専門店イールに聞くと、1年落ちSEが400万円前後、Sが300万円前後とイッキに100万円以上も値下りしている。いま日本はEVが不人気なので、中古車価格に反映され、異様にお買得な状態が続いているのだ。

 もちろんこれがどこまで続くかは保証できないが、この状態ならばCEV補助金を貰った新車エースマンより安く、早めに手放した場合の補助金返却問題もなくなる。

 EV関係の補助金は現在、単純に4年保有しないと返却する義務が生じるのだが、それが関係なくなるのだ。

 好きな時に買えて、好きな時に売れる中古エースマン。そもそもエースマンのサイズや走りが気に入ればこそだが、ぜひ一度試していただきたい1台なのである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    高額療養費制度があるから医療保険はいらない? 病院の窓口業務を行う筆者が実際に骨折して感じたこと

  2. 2

    福岡ローカル「西鉄」が"本業"以外で大躍進のワケ 国際物流事業は国内4位でコロナ禍の営業収益は12%増

  3. 3

    国内でも失われつつあるスタバの居心地のよさ…米国本社が日本事業を売却へ

  4. 4

    民間銀行vsゆうちょ銀「100年戦争」復活か? 実体は郵便局救済!郵政民営化法が改正へ

  5. 5

    ホルムズ海峡再封鎖で日本は原油危機から脱出できず…高市政権が胸張る「代替調達」説明にも疑義アリ

  1. 6

    7割の企業がナフサ不足の影響「強まっている」の深刻…政府強弁“目詰まり解消”の限界はっきり

  2. 7

    預金金利は上昇でも…日銀利上げがもたらすのは「格差の拡大」

  3. 8

    累積赤字540億円!クールジャパン機構の統廃合は「当然の帰結」…グーグル日本法人元社長が抱いていた違和感

  4. 9

    片山・ベッセント会談で飛び交う臆測…迫る39年半ぶり円安でスピード利上げはあるか?

  5. 10

    原油上昇から9カ月遅れで襲い来る狂乱物価を高市政権が野放し…今も補助金政策にドヤ顔の経済オンチ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  2. 2

    高額療養費制度があるから医療保険はいらない? 病院の窓口業務を行う筆者が実際に骨折して感じたこと

  3. 3

    高市早苗氏に経歴詐称疑惑…事務所が認めた!「議会立法調査官」は“造語”だった

  4. 4

    高市首相の“恥”行動が海外に飛び火! 英タイムスがG7外交をディスり、英FTは国内財界との没交渉ぶりを暴露

  5. 5

    高市首相は筋金入りの嘘つき! 経歴詐称疑惑で米下院関係者が決定的証言「インターンだった」SNSで猛拡散

  1. 6

    バナナマン日村が体調不良で休養するまでの“暴食・連食デイズ”と妻・神田愛花「お腹いっぱい食べさせる」の献身愛

  2. 7

    「2世タレント」がまた! 俳優の村上虹郎が交際女性への壮絶DVで書類送検…父親は村上淳、母親は歌手UA

  3. 8

    西武選手の希望が木端微塵! 本拠地「完全ドーム化」は事実上不可能…根性頼みで過酷な夏へ

  4. 9

    歌手・小椋佳さん「たばこの煙が悩みを解いてくれた」…82歳の今も週1でコンサート

  5. 10

    『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』オールキャリアを代表する傑作のトリセツに注意セヨ