銚子漁港のイワシ水揚げ量は前年の1890倍!「黒潮大蛇行」が終息で食欲の秋は豊漁の予感
破格の取れ高だ。千葉・銚子漁港で先月のイワシ水揚げ量が約1万5800トンを記録。昨年同月の水揚げ量8.4トンから実に約1890倍増だ。2年前も約1500トンとここ数年は水揚げ量が低迷していただけに、漁港関係者は「こんなに取れたのは初めてじゃないか」と驚きの声を上げた。丸々と太って脂ものっており、消費者にも大好評。漁港は活況に沸いている。
豊漁の要因とみられるのが、海流の変化だ。気象庁は先月29日、日本の太平洋側を流れる黒潮が大きく南に曲がる「黒潮大蛇行」が、今年4月に終息したと発表。黒潮は世界最大の海流のひとつ。蛇行により、魚介類の不漁や猛暑、局地的な豪雨をもたらすと指摘されていた。
■スルメイカ漁も好調
今回の大蛇行は2017年8月に発生し、従来の最長記録4年8カ月(1975年8月~1980年3月)を大幅に更新。各地でサバやキンメダイなどの水揚げ量が減少するといった影響がみられた。
「まだ断定はできませんが、銚子のイワシ豊漁は黒潮大蛇行の終息の影響と考えられます。大蛇行により、房総半島沖から東へ向かうはずの黒潮が北上する現象がみられ、北から冷たい水を運ぶ親潮の勢いが弱まっていました。しかし大蛇行の終息で、親潮が以前のように房総半島沖まで南下するようになったのです。イワシは冷たい水を好むため、再び漁場に戻って来たのでしょう」(水産庁漁場資源課沿岸資源班の担当者)