クマだけじゃない危険動物たち…4年で7倍と国内で急増する「トモエガモ」がもたらす恐怖とは?
近年、クマの市街地出没が注目を集めているが、私たちの生活を脅かす野生動物はクマだけではない。身近に潜む危険な動物たちの実態と、増加する人間との軋轢について専門家に聞いた。
野生動物による人身被害は深刻さを増しているが、私たちの注意を引くべき動物はクマだけではないという。野生動物の生態に詳しい東京大学名誉教授の樋口広芳氏は、「野生動物と人間の軋轢は、クマに限らず今後ますます増えていくと思います。開発が進むにつれて野生動物との接点が多くなり、高齢化によって農業従事者が少なくなることで、放置された農地が野生動物の住処と人間の生活圏を繋ぐ役割を果たしてしまうからです」と指摘する。
さらに今年3月には、東京都内でサルの目撃情報が相次いだ。葛飾区や足立区では2日間で20件以上の目撃情報が寄せられ、住宅街の道路を渡ったり、住宅の敷地内で果物を食べたりする様子が確認された。特に注目されたのは、手にけがを負ったとみられるサルの存在で、警視庁は餌をやったり近づいたりしないよう注意を呼びかけた。
身近なところでは、カラスが5月から6月の繁殖時期に人の頭を襲ったり、ゴミを荒らしたりする被害が相次いでいる。また、神奈川県の湘南地方や関西圏の海岸付近では、トビが観光客の弁当を狙って急降下し、怪我を負わせるケースも報告されている。