「ワトソン力」大山誠一郎著

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「ワトソン力」大山誠一郎著

 警視庁捜査1課の捜査員・和戸は、帰宅途中にスタンガンで気絶させられ、密室に監禁されてしまう。和戸は、周囲の人間の推理力を向上させる特殊能力の持ち主だった。小学生のときにその能力に気づき、名探偵ホームズを支える相棒の名を借りて「ワトソン力」と名付けた。その能力を生かすために警視庁に入り、所属する第3係の検挙率は10割を誇る。自身はぱっとしないが自分が縁の下の力持ちであることに満足している。

 非番や休みの日に事件に遭遇して、周囲の人たちの推理で警察が到着する前に解決したケースが何度かあった。和戸を監禁したのはその時の関係者かもしれない。和戸は過去の事件を一つずつ思い出してみる。

 特殊能力を持つ平凡な刑事・和戸の周囲で繰り広げられる関係者の推理合戦を描く連作集。

(光文社 770円)

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