著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(32)玉川上水で散歩酒

公開日: 更新日:

 16号沿いに歩いて、ニコラというレストランに入った。北欧のビールを1杯もらった後は、生ハムと野菜のピザを食べた。これが軽くて、おいしい。よく歩いた後ということもあるが、小食の私としては珍しいことにシーフードピザと、白ワインを追加注文した。

 日差しを浴びたせいだろう。身体がかすかに火照っていて、エアコンが送り出す冷えた空気が心地いい。ゆっくりとピザを食べ、ワインをお代わりする頃には、穏やかな軽い酔いも回ってきた。玉川上水沿いに歩いてみるよう。ただそれだけの遠足酒だったが、やってみるとなかなか上等な気分が味わえた。

 思えばこの遠足酒は10年前のことになる。『多摩川飲み下り』というエッセイ集のために多摩川沿いを歩いたときに、玉川上水にちょっと寄り道したのだ。

 それ以前、『ホッピーマラソン』という企画のために中央線沿線と京王線沿線を訪ねまくってのが、さらに10年前になる。それを考えると、今年私にとっての10年に一度の歩き酒の年なのかもしれない。

 今回は何を目当てにしようか。公園酒なんかいいのではないか。漁港だけを訪ね歩くのも魅力的か。深夜、酒を飲みながら、こんなことばかり考えている。

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