全国に飛び火する喫煙二重規制<上>
再開発が進む大阪駅周辺には真新しいビルが次々と建ち、ミナミの繁華街・道頓堀周辺はアジア系観光客で大賑わい。いまやホテルの稼働率が日本一になるなど「大阪復権」が着々と進んでいるかのように見える。関西の商都はさらなる変貌・発展を目指し、2025年の万博誘致やIR(カジノ統合型リゾート)誘致にも熱心だという。
そんななか、4月に吉村洋文市長が「国際都市として厳格なルールが必要」と受動喫煙防止対策の強化、国よりも厳しい内容の条例化を目指す意向を示した。これを受け、愛煙家で知られる松井一郎府知事も「府域全体でやった方がいい」と府条例に一本化する方針で調整する方針を示した。東京五輪を口実に国よりもはるかに厳格な条例案を制定させた小池百合子都知事の実績作りに続く、事実上の喫煙規制強化である。
報道で伝えられている吉村市長の条例案の構想は、飲食店や職場、ホテルの建物内は原則禁煙、面積30平方メートル以下のスナックやバーなどは規制対象外とするというもの。府が飲食店の実態調査を実施し、有識者5人で構成される大阪府受動喫煙防止対策懇話会が9月から関係者の意見聴取を行う。12月末までに懇話会が報告書を取りまとめ、府が最終条例案を策定。年明けにパブリックコメントを募集し、条例案を議会に提出するスケジュールだ。