「ヒカリ文集」松浦理英子著

公開日: 更新日:

「ヒカリ文集」松浦理英子著

 2年前、劇作家で演出家の悠高が東北で客死した。悠高が主宰していた劇団にかつて所属していた鷹野は、葬儀後、妻・久代が見つけた遺稿の感想を求められる。

 その戯曲には、以前、元劇団員を自宅に招いた一夜が描かれていた。その夜、悠高の家には鷹野ら元劇団員が4人と悠高の親戚の大学生が集まった。話題はSNSで悠高が見つけたというかつての仲間ヒカリのことだった。ヒカリはどこか外国にいるらしい。メッセージを送ったがそのSNSは2年以上更新されていないという。ヒカリは当時、男女の区別なく劇団関係者全員と恋愛関係にあった。

 鷹野ら元劇団員はそれぞれ原稿を持ち寄り戯曲のその後を描くことに。

 各人の文章からヒカリという謎の人物の存在が浮かび上がる第75回野間文芸賞受賞作品。

(講談社 792円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも