「ヒカリ文集」松浦理英子著

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「ヒカリ文集」松浦理英子著

 2年前、劇作家で演出家の悠高が東北で客死した。悠高が主宰していた劇団にかつて所属していた鷹野は、葬儀後、妻・久代が見つけた遺稿の感想を求められる。

 その戯曲には、以前、元劇団員を自宅に招いた一夜が描かれていた。その夜、悠高の家には鷹野ら元劇団員が4人と悠高の親戚の大学生が集まった。話題はSNSで悠高が見つけたというかつての仲間ヒカリのことだった。ヒカリはどこか外国にいるらしい。メッセージを送ったがそのSNSは2年以上更新されていないという。ヒカリは当時、男女の区別なく劇団関係者全員と恋愛関係にあった。

 鷹野ら元劇団員はそれぞれ原稿を持ち寄り戯曲のその後を描くことに。

 各人の文章からヒカリという謎の人物の存在が浮かび上がる第75回野間文芸賞受賞作品。

(講談社 792円)

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