著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「チョコを食べない」と思うほど、チョコを食べたくなるワケ

公開日: 更新日:

「不健康な習慣をやめたい」と思ったとき、みなさんはどのような決めごとをするでしょうか?

 例えば、「たばこを吸いすぎているから、夜間はなるべく吸わないようにする」など目標を立て、取り組む方が多いのではないでしょうか?

 しかし、ユトレヒト大学のアドリアーンセらの研究(2011年)によると、「○○しないようにする」という目標の立て方は、逆にその行動を強めてしまう危険性があると報告しています。

 先の目標で言えば、「夜間はなるべく吸わないようにする」と決めると、頭の中で「たばこ」がより強く意識されてしまい、その結果、かえってたばこを吸いたくなってしまう現象が起きるというのです。こうした現象を、アイロニック・リバウンド効果(逆説的反動効果)と呼びます。

 アドリアーンセらは、この効果を実証するために、次のような実験を行いました。

 被験者は、不健康な間食(特にチョコレート)を減らしたいと考えている女子学生48人。そして、彼女たちを、「チョコレートを食べない」と目標を立てたグループと、特にそうした目標を立てなかったグループに分け、その後、「語彙判断課題」というゲーム(画面に出てくる文字の並びが「言葉」かどうかをできるだけ速く答える)をしてもらいました。例えば、「chocolate」という言葉が登場したとき、速く反応できるほど「chocolate」が頭の中で強く結びついていると考えることができます。

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