「子どもの本の森へ」河合隼雄、長田弘著
「子どもの本の森へ」河合隼雄、長田弘著
読書の達人の心理学者と詩人が子どもの本をテーマに語り合った対談集。
長田氏は、子どもの本は「読まなきゃいけない」本ではなく、「読みたい」とずっと心に残っている本だという。ツンドクだけで読まなかった子どもの本の記憶を自分の中にどれだけ持っているかが、実はその大人の器量を決めているのではないかという。
一方の河合氏は、子どもの本は大人の本と違って子どもが親に推薦できるもので、実際に薦められて読んでみると、すごい本が多いという。
そんな子どもの本の秘めたる力から、「赤毛のアン」や「若草物語」「エミールと探偵たち」など、子どもの本や絵本の名作を実際に取り上げ、その魅力を紹介。本に描かれた世界を論じながら、社会や家庭の問題にまで話が発展する名作ガイド。
(岩波書店 1166円)