ドンバスにシリア…過去の紛争を足し算した進化なき「ロシアの戦い方」
ウクライナでのロシアの戦い方を簡単に言えば、2014年の東部ドンバス地方の紛争と、15年のシリア軍事介入を「足し算」したようなものだ。
前者は重火器に依存した地上戦、後者は精密誘導兵器か疑わしい巡航ミサイルでの無差別攻撃。ミサイルは市街地に着弾し、多数の市民が巻き込まれた。罪のない子供を含めて。
■巡航ミサイルで無差別攻撃
発射は、打倒ネオナチをうたう「特別軍事作戦」が2月に始まって以降、住宅や駅などに被害を出す形でたびたび繰り返されてきた。7月までに東部ルガンスク州が陥落すると、消耗の激しいロシア軍は地上戦を小休止したため、ミサイルによる死傷者が目立つようになった。
6、7月だけでも、おびただしい犠牲者が出ている。
中部ポルタワ州クレメンチュクでは6月27日、買い物客で賑わう商業施設が標的となり、20人が亡くなった。東部ドネツク州バフムト近郊では7月9日、集合住宅が攻撃されて崩れ落ち、生き埋めになるなどして50人近くが命を落とした。