許していいのか TPP合意文書「日本語訳」がない驚愕

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 農業分野では各県のJAから自民党の公約違反という声が噴出していますが、農業以外の分野はどうなっているのか、ちっとも伝わってこない。合意事項は7年後に見直すといいますから、なおさら懸念は膨らみます。

 たとえば、医療問題。政府は「国民皆保険は守る」と繰り返していますが、TPP発効後、政府が薬価を取り仕切る今の制度は障壁だといわれる可能性は否定できない。「医薬品の償還価格(日本では薬価)」の決定ルールについて将来、協議を行うことが日米間の交換文書に記されているのです。

 こうした懸念事項を政治家、マスコミ、そしてもちろん一般市民が十分に議論して、TPPという条約を批准すべきか議論するのが民主主義です。しかし、日本語訳がなければ始まりません。政治的に重要な文書を英語のまま放置するのは、英語の分かる「上級国民」だけが政治に参加する資格があり、英語の分からない「愚民」はつべこべ言うなと、安倍政権が考えているからなのでしょう。

 そもそも、大筋合意文書に日本語がない、ということもおかしいのです。正文は英、仏、スペイン語だけ。日本はTPP経済圏の中で、経済規模は2番目に大きいのですから、交渉過程で日本語も公用語にしろと主張するべきでした。

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