森友、加計、共謀罪 ふつうなら内閣は3つ吹っ飛んでいる
明らかな“敵前逃亡”だった。「ダメだ、ダメだ」「こんなの認められない」。19日、維新を除いた野党議員らの怒号が飛び交う中、衆院法務委員会で強行採決された「共謀罪」法案。これだけの重要法案の採決にもかかわらず、NHKの生中継はなし。さらに、その場には安倍首相の姿もなかった。
首相出席による締めくくり質疑を行わないまま、異例の採決となった理由は明白である。安倍は加計学園疑惑の追及から逃げたのだ。
与党側は当初、17日の委員会採決を目指し、この日予定した審議時間4時間のうち1時間は首相出席で行うことを提案していた。ところがどっこい。朝日新聞が17日付朝刊で、加計学園傘下の岡山理大獣医学部の新設を巡る「総理のご意向」文書の存在をスクープ。すると、衆院法務委の鈴木淳司委員長(自民)は職権で19日の委員会開催を決定。本来、行われるはずだった首相出席の締めくくり質疑をすっ飛ばし、自公プラス維新で採決を強行したのだ。これほど分かりやすい話はない。
いや、加計学園疑惑だけではない。森友学園疑惑も、超ド級の“籠池砲”が炸裂したばかり。籠池泰典前理事長が“安倍記念小”の建設予定地の地下3メートル以深には「ゴミがなかった」という業者のメールを公開。国有地8億円値引きの根拠が吹っ飛ぶなど新局面を迎えている。
国民生活を大きく揺るがす重要法案の採決の場でも、窮地の安倍を忖度するロコツな“2つの学園疑惑”隠しがまかり通ってしまうのだ。いかに自民党が、安倍サマの顔色をうかがう“ヒラメ議員”の群れと化しているかを雄弁に物語っている。