孫崎享
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孫崎享外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

ロシアが北方領土を「不法占拠」しているという考えは誤り

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 今の日本では、国民が「官僚はウソと詭弁を言うのが当たり前」と思うようになった。例えば、国民が何の疑いも抱かずに信じている「ロシアは北方領土を不法占拠している」というのも「ウソと詭弁」が60年以上続いたことによるものだ。

 国民の反発を買うのを覚悟で説明したい。

 日本は1945年にポツダム宣言を受け入れて戦争を終えた。「ポツダム宣言を受け入れるべきでなかった」という人はほとんどいないだろう。このポツダム宣言には「日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」とある。つまり、本州、北海道、九州及び四国以外の地に対し、「日本固有のものだから我が国のものだ」という主張は放棄したのである。

 日本はまた、1951年にサンフランシスコ講和条約に調印し、独立した。ポツダム宣言の受諾と同様、サンフランシスコ講和条約に調印すべきでなかった、という人はおそらくいない。

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