仲介役のはずが…ポンペオ米国務長官に無視された安倍首相
トランプ大統領がイランとの核合意を一方的に破棄して強硬姿勢を見せたため、ヨーロッパ各国はアメリカと一線を画す対応を取り始めている。人の言うことを聞かず「トランプ・ワールドには3種類の人間しかいない」と豪語するトランプ大統領である。
「3種類」とは何か?
「第1は自分と身内。第2は部下や使用人。第3は敵」というから、まさに「トランプ・ファースト」だ。彼は自国の諜報機関も信用せず、CIAやNSAの専門家を「学校に戻って勉強し直せ!」と罵倒を繰り返したほどだ。
そんな身勝手な人物にヨーロッパの指導者は背を向け始めている。ソレイマニ司令官の暗殺では珍しく足並みを揃えてアメリカの横暴に反発。「イランも問題だが、トランプはもっと問題だ」との共通認識に至った。
そのためヨーロッパ連合(EU)のボレル外相はイランのザリフ外相をブリュッセルに招き、ソレイマニ司令官暗殺後の対応を協議した。実はザリフ外相はイラン問題を討議する国連の場に出向こうとしたが、アメリカはビザ発給を拒否。ザリフ外相がニューヨークを訪問できなかったという経緯がある。これがトランプ政権のやり方だ。