自民党の自己矛盾 新会員任命拒否と学術会議改革は別問題
日本学術会議の新会員の任命拒否問題がクローズアップされたら、それと並行して、学術会議の在り方が批判的に問題にされ、政府・自民党において学術会議が行革(リストラ?)の対象にされるに至っている。
しかし、この2つは全く別の問題である。前者は、政治権力が学者を政治的に評価してはならない……という問題であり、後者は、学者の団体の、組織としての在り方に政治権力は介入してはならない……という問題である。
■「学問の自由」に対する無理解が問題
かつて、ガリレオ・ガリレイの地動説を政治権力が断罪した事件、大日本帝国が美濃部東大教授の天皇機関説を不敬と断じて辞職させた事件等に反省して、人類は、人権としての「学問の自由」を確立し、それは日本国憲法23条にも明記されている。
その効果として、第1に、政治権力は学者の学説を政治的に評価してレッテルを貼ってはいけないのである。そして第2に、学者の組織の在り方は、その構成員の自治・自律事項で、学者の組織の在り方に政治権力が介入してはならないのである。