著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

天皇の「絶対反対」が覆った12月1日の御前会議 開戦を全面的に容認

公開日: 更新日:
開戦の詔書(レプリカ)の後段部分と昭和天皇の御名御璽(国立公文書館蔵)

 12月1日の御前会議はこれまでと異なって、いつも出席する6人の閣僚のほかに、7人の閣僚が加わった。日頃は開戦論議に口を挟むことのできない閣僚も天皇と椅子を並べたのである。これはむろん天皇の意思による例外的な措置であった。

 この会議で天皇の意思を代弁して軍事と政治指導者に…

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