あなたの近くにもきっとある異空間スポット「ふだん着で行ける秘境ニッポンの異空間」関口勇著

公開日: 更新日:

「ふだん着で行ける秘境ニッポンの異空間」関口勇著

「フツーの旅はもう飽きた!」のキャッチコピーで、各地の廃虚や珍寺、巨大建築などの異空間(非日常空間)スポットを紹介してきた雑誌の編集者が、20年にわたって巡ってきた異空間の一部を紹介するビジュアルガイドブックである。

 福岡県飯塚市の一軒家が立ち並ぶ道路沿いに突如現れる巨大な2基のレンガ構造物。巨大な生き物のように、6本脚で立ち、道路側に尻尾にも鼻にも見える突起物が突き出している。

 実はこれ、日本一の採炭量を誇った筑豊炭田で大正末期から昭和初期に造られた巻き上げ機台座だそうだ。台座の上に据えられた蒸気機関で巻き上げ機を動かし坑道からトロッコを引っ張り上げていたという。

 住人には見慣れた光景も、初めてこの道を走った人には驚きの光景に感じられることだろう。

 まずは、こうした産業遺構や廃虚、戦争遺跡など、本来の役目を終えた退廃美の異空間を紹介。

 続く、きわめて過剰でカオスな異空間の章では、「年寄りの元気の源はエロ」を訴えたいがために80代の男性が大量のエロギャグが書かれた看板を所有地に設置したその名も「アダルト保育園」(群馬県)や、鳥居から砲台型のオブジェ、展望台など、ありとあらゆるものが無数の貝殻で装飾された「貝がら公園」(愛知県)など、個人のパワーが作り出した異空間を取り上げる。

 ほかにも、昭和初期の建築時、高価だったセメントを節約するため水をせき止めるダム本体(堤体)がスカスカの格子状の丸沼ダム(群馬県)などの機能美を感じる異空間、珍寺・珍神社など信仰が生み出した異空間、さらに奇抜な建築物が織りなす異空間など5ジャンル55スポットを網羅。

 異空間はあなたの近くであなたを待っている。

(大和書房 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    戸郷が離脱、則本メッタ打ちで巨人が緊急補強へ…候補に挙がる「オリックス投手」の名前

  2. 2

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  3. 3

    佐藤二朗騒動の余波!「福田組」の長澤まさみへの“ハラスメント”舞台挨拶の悪ノリ動画が再注目…女性視聴者は嫌悪

  4. 4

    孤立深まる高市首相…国会10日ぶり正常化でも続く“包囲網” 与党内からも反発の声噴出の自業自得

  5. 5

    ベネズエラの剛腕マチャドが今オフ、オリックスとの契約満了で日米争奪戦に発展か

  1. 6

    小池栄子が一番の被害者? 佐藤二朗“ハラスメント騒動”に足引っ張られた「さよならノワール」の評価は上々

  2. 7

    高市首相が衆院集中審議に“出たくない”とブー垂れ…身内の自民国対「もう疲れ果てた…」ヘトヘトのお気の毒

  3. 8

    山田涼介が「令和最強アイドル」と評されるワケ…主演ドラマ「一次元の挿し木」は玉森裕太を三歩リード

  4. 9

    白井球審への“侮辱行為”で退場した一部始終「何やおまえ、いい加減にしろよ!おまえも未熟なんだから…」

  5. 10

    沈黙貫く橋本愛vs佐藤二朗「週刊新潮」で反論の泥沼化…SNS連投で"自滅"を心配する声も