肺がん保険適用の新治療「TTフィールド療法」の実力 がん細胞を“自殺”に導いて増殖抑制
肺がんの治療に、保険適用の新たな選択肢が加わった。その名を「TTフィールド療法」という。近畿大学医学部内科学腫瘍内科の林秀敏教授に聞いた。
「TTフィールド(Tumor Treating Fields)」を日本語で訳すと「腫瘍治療電場」。特殊な電場でがん細胞の増殖を抑制する治療法だ。
電場とは磁場や電磁波とは異なる、電気的な力が働く空間のこと。セラミック製のディスク(アレイ)が取り付けられた粘着性シートを胸部と背中の皮膚に貼り付け(写真)、胸部と背中の間(肺がある体内の一帯)に電場を作り出す。
「がん細胞は分裂を繰り返して増殖していきます。分裂の過程で欠かせない部分が『紡錘体』の形成なのですが、電場、つまりTTフィールドは紡錘体の形成を阻害し、がん細胞をアポトーシス(細胞の自殺)へと導いて、がん細胞の増殖を抑制します」
さらに間接作用として、TTフィールドによる「免疫原性細胞死」の誘導がある。がん細胞が死ぬ時に免疫を呼び起こす分子を放出し、全身でがんへの免疫反応を高めるのだ。


















