漢字文化圏という視座から世界の「文化の力学」を解き明かす「漢字文化圏の興亡」若山滋著

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「漢字文化圏の興亡」若山滋著

 ここ100年あまり、日本をはじめ中国、韓国、台湾が驚くべき発展を遂げ、欧米に代わり世界史の新しい主役に躍り出た感がある。著者はこれらの国にシンガポールやベトナム、北朝鮮と世界各地のチャイナタウンを含め「漢字文化圏」と定義。近代とは欧米のアルファベット圏の文化が漢字圏に襲い掛かった時代であり、現代は漢字圏の文化がアルファベット圏に乗り出した時代だと説く。

 人類最初の文字体系とされるエジプト文明のヒエログリフは物語を伝え、メソポタミア文明の楔形文字は契約を記録した。それぞれが「物語の文明」「契約の文明」ならば、甲骨文字を起源とする漢字圏の文明は「呪術の文明」だという。

 漢字文化圏という視座から世界の「文化の力学」を解き明かし、日本の進むべき道を考察した論考。

(新潮社 990円)

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