著者のコラム一覧
片岡健ノンフィクションライター

1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、ノンフィクションのライターに。新旧様々な事件を取材し、新事実や冤罪を発見している。著作に『平成監獄面会記』、同書が漫画家・塚原洋一氏によりコミカライズされた『マンガ「獄中面会物語」』(共に笠倉出版社)、『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(リミアンドテッド)など。最新刊は2026年4月発行の『実録 死刑囚26人の素顔』(宝島SUGOI文庫)。

上田美由紀死刑囚が獄中死前に見せていた異変…文通を続けたライターに八つ当たり

公開日: 更新日:

実在しない「友人」について喜々と話し…

 この日から面会と文通を重ねたが、話をしている時はいつもニコニコしながら、「片岡さんの書いた記事は心にどっしりきます」「片岡さんになら何でも話せそうです」などと私のことを持ち上げた。不審死した男性たちに対しても、こうやって機嫌をとっていたのだろうと想像させられた。

 ただ、私になら何でも話せそうだと言いながら、事件のことについて聞くと、なんだかんだと理由をつけ、話をはぐらかした。そんな状態が続いても無駄なので、「話したくないことは無理に話さなくてもいいですよ」と言ってみても、彼女は「大丈夫です。片岡さんには何でも話します」と言い張り、結局、事件のことについては話をはぐらかし続けた。付き合っていて、非常にストレスがたまるタイプだった。

 何より忘れ難いのは、“友人たち”の話をよくしていたことだ。

「友人たちは、私を助けたいと必死です」

「友人たちは、そのために資料や写真を集めまくっています」

「友人たちは、片岡さんが鳥取に取材に来たら、車でいろいろ案内して回ると言っています」

 そんなことを喜々として話していたが、結局、その友人たちを私に紹介することはなく、連絡先すら教えなかった。要するに実在しないのだ。人生で友人と呼べる人間はほとんどいなかったのだろうと思うが、彼女の心の闇の深さを感じた。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希をヤンキースが強奪へ…大谷翔平&山本由伸を奪われた名門が企んだ雪辱戦

  2. 2

    AKIRA版はなかったことに? 反町隆史GTO放送開始で荒ぶる「2012年派」

  3. 3

    ゾンビたばこ広島に黒田博樹監督待望論 「打てない、守れない、人気ない」三重苦で新井監督はクビ不可避

  4. 4

    佐々木朗希は一軍復帰1試合でまた抹消…どれだけ脆弱でもドジャースが欲しがったワケ

  5. 5

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー

  1. 6

    “令和の武器商人”こと小泉進次郎防衛相の「核ありき発言」に自民国防族もカンカン

  2. 7

    ついに1ドル=163円突入で「円安倒産」ラッシュ深刻懸念…すでに前年同期から3割増

  3. 8

    中森明菜のタモリ評「心の底からホッとします」は国民の総意か? サングラス姿と性格的な3要素

  4. 9

    「24時間テレビ」放送1カ月前に日テレ局内に流れる微妙な空気…猛暑の中の星野真里マラソンに大逆風

  5. 10

    震災で家族を心配する選手たちに星野監督が怒号「おまえらは野球だけしとりゃあええんじゃ!」