著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」（50）東條英機が戦時下で豪語した「国民無色」論

公開日：2025/03/17 17:00　更新日：2025/03/17 17:00

戦後、戦犯として収容所に入れられた東條英機元首相（1945＝昭和20＝年10月31日）／（Ｃ）共同通信社

　本土決戦（九州、関東）の構想を見ていくと、軍事指導者の戦争論がどのようなものであったのかが、全く不明である。その目的も何のためか、が曖昧である。私はこのことについて、近代日本の歴史的欠陥を感じるのだが、それはこのシリーズで明かしている戦時用語を見ていくと、より強く感じるのだ。
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