著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「占領下の日本社会」(32)吉田茂の申し入れと木戸幸一の保身、幻に終わった近衛文麿のスイス派遣工作

公開日: 更新日:
3月10日の大空襲で被災した東京・深川地区を視察する昭和天皇。最後尾が木戸幸一内大臣(1945=昭和20=年3月18日)/(C)共同通信社

 吉田茂が外交官の勘を働かせ、近衛文麿を戦時下のスイス・ジュネーブに単身で長期滞在させ、アメリカ、イギリスなどの有力者が近づいてくるのを待つという案は、明らかに伊藤博文が金子堅太郎をアメリカに送って政戦両様の構えをとったことに似ていた。そのような知恵は、当時の日本社会ではきわめて… 

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