大メディアもその準備 参院選公示前から政権交代前夜の様相

公開日: 更新日:

参院選後の政治は果たしてどこに向かうのか

都議選は惨敗(自民党東京都連選対本部)/(C)日刊ゲンダイ

 今度の参院選が異例なのは、自民党の支持率の低さだけではない。悪政の共犯で、応援する大メディアも退陣や連立組み替えを前提に質問を投げかける不穏な報道。首相は八方塞がり、野党は漂流で、民主主義が溶けていく。

  ◇  ◇  ◇

 第27回参議院選挙が3日に公示され、物価高対策などを争点に17日間の選挙戦がスタートする。投開票日は20日。

 参院(総定数248)の過半数は125議席。自公両党は非改選75議席を有するため、これと合わせて過半数に達する50議席獲得を「絶対防衛ライン」(与党関係者)に掲げている。現有の改選議席66のうち、17議席以上は減らせない計算だ。

「自公50議席」を巡ってカギを握るのは、全国32ある改選数1の1人区だ。

 2人区(茨城、静岡、京都、広島)、3人区(北海道、千葉、兵庫、福岡)、4人区(埼玉、神奈川、愛知、大阪)、6人区(東京)はこれまで、与野党で議席を分け合い、差がつかないケースが多かった。

 野党は1人区で与党と一騎打ちの構図に持ち込むための協議を続けており、今のところ、立憲と日本維新の会は2県、立憲と国民民主党は1県で合意に至ったほか、立憲は他の6県でも競合する共産党との調整を急ぐ。

 1人区は農業県が多い。米価高騰対策として進次郎農相が進めた随意契約による政府備蓄米の放出は農家の反感を買ったとの見方もあり、自民内では岩盤だった農業票が今回は野党に流れるのではないかと懸念する声が少なくない。

 いずれにしても昨秋の衆院選に続いて参院選も与党が過半数を割れば、自公政権の維持は難しくなるのは間違いない。

 メディア各社は参院選公示前の政権支持率や各党の党勢を見極めようと世論調査を実施。それによると、NHKの調査では石破内閣を「支持する」と答えた人は34%で、前回調査よりも5ポイント低下。読売新聞社が6月27~29日に行った全国世論調査では石破内閣の支持率は32%で、前回調査(31%)とほぼ横ばい。毎日新聞の調査(28~29日)でも、内閣支持率は24%で、前回(5月17~18日実施)から2ポイント増のほぼ横ばいだった。

 注目すべきは… 

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り2,158文字/全文3,084文字)

メルマガ会員
0円/月(税込)
今なら無料で日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事と競馬記事をそれぞれ3本試し読みできます!
オススメ!
プレミアム
2200円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事読み放題。最新の紙面をビューアーで閲覧可。競馬出走表も予想も全部読める。会員限定オンライン講座見放題。会員限定のプレゼントも。
スタンダード
780円/月(税込)
日刊ゲンダイDIGITALの有料会員限定記事が月50本まで読める。
新聞郵送セット割
3550円/月(税込)
プレミアムプランのサービスに加えて新聞も郵送で後日お手元へ。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒