税関が偽メダル密輸を見破った理由…主犯は韓国人格闘家、日本人7人が運び屋に
「韓国の格闘技大会で優勝し、獲得したメダルだ」
運び屋はメダルを隠していたことがバレると、税関職員にこう説明したという。
優勝メダルと偽り、韓国から金製品計3.5キロ(約4700万円相当)を密輸しようとしたとして、韓国籍の住所不定、格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)ら20~40代の男女8人が9月、関税法違反と消費税法違反の疑いで大阪府警国際捜査課に逮捕、書類送検された。
そのうち日本人7人は今年1月中旬、韓国の仁川空港でリクルーター兼指示役のキム容疑者から純金のメダルを手渡された。運び屋はメダルを1個ずつ機内に持ち込み、関西空港に到着。別々に入国し、メダルを首にかけ、上着を羽織り、税関検査場を通過しようとしたところ、税関職員に呼び止められ、「金製品の申告はありませんか? 持ち物検査をします」と声をかけられた。
「ある筋から、事前に関空行きの便に密輸グループが搭乗しているという情報が入っていた。運び屋たちはキムから、税関でメダルが見つかったら<格闘技大会で優勝した>と口裏を合わせるよう指示されていた。韓国にいる首謀者がキムに密輸を持ちかけ、キムが運び屋を雇い、渡航費や宿泊費を提供していた。日本人7人はキムの格闘家仲間や友人だった。メダルは1個約500グラムで、密輸用に製造していた。優勝者として運搬役の名前が刻まれるなど、かなり手が込んでいたが、誰一人、格闘技の大会には出場していなかった」(捜査事情通)