なぜ内田梨瑚被告は「無期懲役」にならなかったのか? 旭川女子高生転落殺人事件で「懲役27年」判決

公開日: 更新日:

「裁判官、裁判員の皆さま、どうか、どうか、あいつを、私の娘の望む判決にしてください。お願いします」

 今月8日、法廷で内田梨瑚被告(23)を指さし、声を震わせ、涙ながらに訴えた父親の思いは通じなかった。

 北海道旭川市で2024年、当時17歳の女子高生を「神居大橋」から約10メートル下の石狩川に落とし、殺害したとして殺人、監禁、不同意わいせつ致死の罪に問われた無職、内田梨瑚被告に旭川地裁は22日、求刑通り懲役27年の判決を言い渡した。

 共犯者としてすでに懲役23年の刑が確定し、服役中の小西優花受刑者(21)は証人尋問で「梨瑚さんは女子高校生の肩甲骨のあたりを両手の手のひらで押しました」「目の前から一瞬で消えました」と証言。これに対し、梨瑚被告は「殺意はなく、橋から落下させていません」と主張していた。

■全裸で橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と罵声

 梨瑚被告は一昨年、女子高生が自身の画像を無断でSNSにアップしたことに激高。4月18日夜、女子高生を車で連れ去り、翌19日午前2時半ごろ優花受刑者が合流。車内で「全裸になれ」と命令し、神居大橋に移動。殴る蹴るの暴行を加え、全裸のまま土下座を強要し、謝罪動画を撮影した。女子高生を欄干に座らせると、「早く落ちろ」「自分で死ねや」と数十回罵声を浴びせ続け、心身共に追い詰め、川に転落させた。

 検察側は今月8日の論告で<全裸で川に落下させて殺害した残虐さは無期懲役を求刑することも考えられる。しかし本件のわいせつ行為は、性のはけ口ではなく、被害者への制裁のためという違いも考慮する必要がある>として無期懲役ではなく、有期刑の最長である懲役27年を求刑していた。

 弁護士の山口宏氏はこう指摘する。

「検察は性的目的ではないから無期ではなく、有期刑を求刑したわけですが、一般人が女子高生に制裁を加えることも相当ひどい。最高裁の判例でも、裸にさせた時点でわいせつ行為は成立しています。裸にさせた加害者側が女であっても、性的な目的があろうがなかろうが、関係ありません。無期懲役を求刑できたはずです」

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