ロッテドラ2京大・田中 「体操で五輪の夢」閉ざした父の一言

公開日: 更新日:

 そのたびに自宅から片道30分、車を走らせ送り迎えをした昌美さんは、「本当はそこまでやる必要はないと思いましたし、私の方が面倒くさかった。でも、本人に物凄くやる気がありましたからね」という。

 ところが小学5年に上がる直前、「五輪への道」を閉ざしたのが克則さんだった。

 同時期の週末には地元の子ども会で野球も始めていた。高学年になると勉強も忙しくなり、どちらかの競技に絞らなければいけなくなった。昌美さんは当時を振り返る。

「お父さんは『体操は個人競技が中心。社会に出るうえで重要なのは協調性だから、それを考えれば野球を続けなさい』と英祐に体操をやめるように言ったんです。本人はこの頃、本気で体操のオリンピック選手になる夢を持ち始めていたので、『やめたくない』と抵抗して大泣きしました。当時は可哀想だと思いましたが、今となっては選択が間違っていなかったと思います」

 田中家の基本的な教育方針は、「子供には好きなことを好きなようにやらせる半面、人生を左右する選択には惜しみなく手を差し伸べる」こと。大人なら冷静な判断を下せても、人生経験が少ない子供は道を誤ることもある。子供が悩む時には、親も一緒に悩み、最善策を導き出す。そうやって両親は田中を育ててきた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菅野智之めぐり「ドジャースvsヤンキース」争奪戦へ…オリオールズで孤軍奮闘もトレード要員へ待ったなし

  2. 2

    「聘珍樓」の3度目の倒産は“氷山の一角”か…格安店の乱立で高級中華が苦境に

  3. 3

    パワハラ報道の橋本環奈"人気凋落"が春ドラマで鮮明に…一方で好感度上げたのは多部未華子

  4. 4

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  5. 5

    さようなら元横綱白鵬…最後の最後まで“問題児”ぶり炸裂、相撲協会は「退職届」受理へ秒読み

  1. 6

    ドジャース大谷がヤンキース現体制を粉々に…「やはり獲得すべきだった」批判再燃へ

  2. 7

    「フラッと大阪万博」にトライ! 予約なし、行列を避けてどこまで楽しめるのか

  3. 8

    進次郎農相の痛恨ミス…備蓄米5キロ1800円でも相場が下がらないカラクリ

  4. 9

    出会いから10日で再婚…梅宮アンナに漂う危うさ

  5. 10

    秋篠宮家の初孫、慶事なのに…眞子さんの出産をテレビ・新聞は当初スルー、宮内庁発表が遅れたミステリー