元プロボクサー江口勝昭さんが初めて語る「伝説の兄弟対決」

公開日: 更新日:

 かくして、93年6月5日、後楽園ホールで日本ストロー級王座決定戦のゴングが鳴った。

「試合開始早々、兄貴の強烈なボディーブローでボクがダウンした。マジで殴りやがったな、と思ったら、無性に腹が立ってきましてね。2ラウンド、今度はボクが左フックで兄貴をダウンさせた。それからは猛烈な殴り合いになって、観戦する側としたら手に汗握る、絶対に面白い試合のはずなのに、不思議なことに満員の客席はシ~ンと静まり返ってる。痛々しくて、みなさん、いたたまれなかったんでしょう」

「レフェリーも胸中は複雑だったらしく、5ラウンドが終了した時点で兄貴にこう言ったそうです。次にどっちかが倒れたら、試合をストップするぞ、って。で、6ラウンド、兄貴の左アッパーでボクがダウンしたところで、試合を止められました。次の瞬間、兄貴はひざまずいて泣き出した。あれはチャンピオンになった喜びより、兄弟対決を終えた安堵の涙だったと思います」

■日本人対決は見てみたいけど…

 さて、福岡県出身の勝昭さんは14人兄弟の7番目。6番目が2歳年上の九州男さんだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"