元プロボクサー江口勝昭さんが初めて語る「伝説の兄弟対決」

公開日: 更新日:

 93年6月、日本プロボクシング史上、「最も痛々しい試合」が行われた。日本ストロー級王座決定戦、江口九州男・勝昭兄弟による“兄弟・同門”対決である。同じボクシングジムに所属する血を分けた兄と弟がリングの上で殴り合ったのだ。弟の勝昭さん(44)がこの一戦を振り返る。

ランキング上位だった兄の九州男が王座決定戦に出場するのは決まってて、プロモートするジム側としては話題をつくって盛り上げたかったんでしょうね。対戦相手として、ランクインしたばかりのボクの名前がウワサに挙がった。ボクはジムにやりたくない、と何度も頼んだし、兄貴も同じ気持ちだったと思います。さすがに対戦させないだろう、と言ってましたし。ところが、ボクの方が再三にわたるジムの要請に押し切られてしまったんです」

 JR大塚駅に近い角海老宝石ジムで会った江口勝昭さん、遠くを見るような目でこう言った。同ジムはかつて江口兄弟が所属していた。

「これには兄貴も複雑な気持ちだったんじゃないか。兄弟対決が決まった直後、ジムの裏で泣いてる兄貴を見たこともあります。それでも兄貴には試合じゃ容赦しないぞ、って言われました」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  2. 2

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 3

    箱根駅伝は「勝者のノウハウ」のある我々が勝つ!出雲の7位から良い流れが作れています

  4. 4

    女子プロレス転向フワちゃんいきなり正念場か…関係者が懸念するタレント時代からの“負の行状”

  5. 5

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  1. 6

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  2. 7

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  3. 8

    学歴詐称問題の伊東市長より“東洋大生らしい”フワちゃんの意外な一面…ちゃんと卒業、3カ国語ペラペラ

  4. 9

    村上宗隆、岡本和真、今井達也のお値段は?米スカウト&専門家が下すガチ評価

  5. 10

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方