金銭授受を野球賭博と同列に報じるスポーツメディアの愚

公開日: 更新日:

 巨人選手の野球賭博関与で球界に衝撃が走ったのは昨年10月のこと。今月には、巨人から「第4の男」・高木京介の賭博関与も公になったが、その後の球界に関する報道がおかしな方向に動き出している。

 これも巨人に端を発した自軍の勝敗に絡んで現金をやりとりしていた円陣での「声出し」金銭授受(敗戦時の支払いは巨人だけ)や練習中のノック罰金、高校野球くじ、投手陣の個人成績に祝儀等々は、野球を職業とする人間のモラルに反するだろうが、バックに暴力団などの反社会的勢力の影がチラつく野球賭博とは別物だ。

 スポーツライターの工藤健策氏がこう言う。

「今はどの球団にも、本当のチームリーダーや苦言を呈することができるベテランがいない。自分で社会常識を判断できなくなっているから野球賭博などに手を出すのだろうが、それにしても最近のスポーツマスコミは、ベンチ前の声出しや練習のミスで金銭を徴収していたことを野球賭博と同じようにデカデカと報じている。それは結果的に、野球賭博に関わっていた選手を4人も抱えていた巨人の責任を軽くしたり、ファンの目をそらすことになる」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし