マリナーズ雄星4勝目 疲労回復優先のメジャー流調整が奏功

公開日: 更新日:

 出口の見えなかった長いトンネルから抜け出した。

 マリナーズ・菊池雄星(28)が23日(日本時間24日)のオリオールズ戦に登板。6回を1本塁打含む5安打3失点で4勝目(5敗)をマークした。

 菊池は初回、今季好調の2番マンシーニに一発を浴びるなど、二回までに2失点。依然として立ち上がりの悪さを露呈したが、その後は持ち直した。低めへの変化球を主体につけ入る隙を与えない。六回1死一、三塁から併殺崩れの間に1点を追加されたものの、打線の大量援護もあって、5月19日のツインズ戦以来、約1カ月ぶりの白星を手にした。

 9安打6失点で、今季5敗目を喫した前回18日のロイヤルズ戦後、菊池は初めて調整法を変えた。キャンプ、オープン戦から、ブルペンに入らない日でもキャッチボール、遠投で調整してきた。多い時で、50~60球を投げ込むのも珍しいことではなく、明らかにオーバーワークだった。

 見かねた首脳陣から、投げ込みを禁止され、今回は前日のブルペン入りを取りやめてマウンドに臨んだ。先発投手が中4日のローテーションを強いられるメジャーでは、ブルペン入りどころかノースローで次のマウンドに上がるケースは少なくない。菊池も西武時代からルーティンだったウエートも大幅に減らし、疲労回復を優先したことが結果につながった。

 一時は球威が落ち、変化球のキレも欠いたことで、故障も懸念された菊池。調整法を変えて、長期離脱の最悪の事態は免れたか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」