32年ブリスベン“超スピード内定”が証明した五輪人気の凋落

公開日: 更新日:

 異例の超スピード決着となった。

 国際オリンピック委員会(IOC)は10日の理事会で2032年夏季五輪の開催地を豪州ブリスベンに一本化。7月21日の総会で承認されれば、開催11年前の超前倒し決定となる。

 IOCは19年、大会の7年前に開催地を決めるルールを撤廃し、招致に関心を示す都市とIOCが面談し、候補地を“一本釣り”できるよう変更した。32年大会は韓国、ドイツ(ルール地方)、インドネシア、カタール(ドーハ)などが立候補を検討したが、IOCは今年2月にあっさりとブリスベンを優先候補地に選定。これに異を唱えたのは、政治利用目的で北朝鮮との共同開催をもくろんでいた韓国くらいだったという。

 五輪人気が低下した最大の要因は莫大な開催費用。その大半を開催都市が負担するため、国や都市の財政を圧迫。世界各都市の招致熱は年々冷え込んでいる。20年、24年夏季五輪招致を検討していたローマは財政難により、2度にわたって撤退を余儀なくされている。

 無論、世界的なコロナの感染拡大も大きく影響している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘