侍Jの4強進出は“最低限ノルマ”達成に過ぎない…WBC米国ラウンドは「違う大会」と権藤博氏

公開日: 更新日:

「順当でしょう。侍ジャパンのチーム状態がいいのは確か。しかし、本当のWBCはここから始まると言っていい」

 こう言うのは、2017年の第4回WBCで日本代表の投手コーチを務めた、評論家の権藤博氏である。負ければ終わりの一発勝負に入った昨16日の準々決勝に大勝。メジャー8選手を擁する難敵・イタリアを圧倒し、日本時間21日にマイアミで行われる準決勝に駒を進めた日本代表に、新聞もテレビも「見えた! 3大会ぶり世界一!!」などと大騒ぎだが、権藤氏は「米国ラウンドでは相手のレベル、モチベーションが一枚も二枚も上がる。前回大会では、米国投手陣の底力を見せつけられました。いずれにしろ、東京ラウンドと米国ラウンドでは違う大会だと思って臨む必要があります」と言うのだ。

【写真】この記事の関連写真を見る(26枚)

 日本代表のチーム状態は確かにいい。

 この日は1次ラウンド初戦に続いて「3番・投手」のリアル二刀流で先発した大谷翔平(28=エンゼルス)が5回途中4安打2失点。最後はヘバったが、一球ごとに「ウォリャー!」と咆哮する気合満点の投球で5三振を奪い、チームを鼓舞した。七回からはダルビッシュ有(36=パドレス)がリリーフ登板。2回を投げてソロ本塁打による1点を失ったものの、“最強リレー”の実現に東京ドームは興奮のるつぼと化した。

 打線に火をつけたのもまた大谷だった。0-0の三回1死一塁の初球にまさかのセーフティーバント。意表を突く自己判断が相手守備陣のミスを誘って一、三塁とチャンスを広げ、4番に昇格した吉田正尚(29=レッドソックス)の遊ゴロの間に先制点をもぎ取ると、5番に下がった村上宗隆(23=ヤクルト)の四球のあと、6番の岡本和真(26=巨人)の3ランを呼び込んだ。1次ラウンドでは主砲村上が不振をかこちながら、4試合で平均9.5点を挙げた打線は好調を維持。1次ラウンドの得失点差+30(38得点、8失点)は、D組2位のプエルトリコ(30得点、12失点)に大差をつけ、出場20チームのトップである。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う