「気骨稜々なり」火坂雅志著

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■博多の町を商人の自治都市に

 博多で生まれ育った島井徳太夫(のちの宗室)は、17歳から朝鮮と行き来して茶道具を密貿易。おのれの才覚だけを頼りに商売を広げていく。しかし、永禄2年、21歳のときに徳太夫が釜山から戻ると博多の町は焼失していた。侍たちの勢力争いに巻き込まれることに嫌気がさした徳太夫は、博多を堺のように権力者たちに支配されない商人の町にしようと誓う。その目利きによって集めた最高の茶道具を武器に、九州の支配者、大友義鎮(宗麟)に気に入られ、御用商人の座を獲得。さらに信長や秀吉とも交わるようになる。

 秀吉の朝鮮出兵を命がけで阻止しようとした宗室の気骨の生涯を描く。
(小学館 1800円)

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