「気骨稜々なり」火坂雅志著

公開日: 更新日:

■博多の町を商人の自治都市に

 博多で生まれ育った島井徳太夫(のちの宗室)は、17歳から朝鮮と行き来して茶道具を密貿易。おのれの才覚だけを頼りに商売を広げていく。しかし、永禄2年、21歳のときに徳太夫が釜山から戻ると博多の町は焼失していた。侍たちの勢力争いに巻き込まれることに嫌気がさした徳太夫は、博多を堺のように権力者たちに支配されない商人の町にしようと誓う。その目利きによって集めた最高の茶道具を武器に、九州の支配者、大友義鎮(宗麟)に気に入られ、御用商人の座を獲得。さらに信長や秀吉とも交わるようになる。

 秀吉の朝鮮出兵を命がけで阻止しようとした宗室の気骨の生涯を描く。
(小学館 1800円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ