ネット文化に警鐘を鳴らす最新刊が話題 藤原智美氏に聞く

公開日: 更新日:

 これまで小説のほか、「暴走老人!」など世の中で起きている現象を鋭く分析した作品を送り出してきた芥川賞作家の藤原智美氏が、このたび、ネット社会の本質的な問題点を考察した最新刊「ネットで『つながる』ことの耐えられない軽さ」(文藝春秋 1100円)を上梓、話題を呼んでいる。ネットを介したストーカー殺人、度重なる政治家や官僚の失言“つぶやき”、「つながり」が叫ばれる社会の根底にあるものは一体何なのか――。

「今、ことばが変わりつつあります。でもそれを意識している人は少ないでしょう。僕もそうでした。ここ数年、ことばにつまずくことが増え、僕は自分自身のことばに対する怠慢と老化だと思っていました。だけど、ある日、車中の乗客全員がスマホに見入っている光景に出くわして気が付いたんです。スマホでやりとりされることばと僕の持っていることばは同じ日本語であっても、異なるのではないか。今、解釈をめぐって論争している憲法問題も、僕のことばも、そこに問題の核があるのではないか。もっといえば、電子ネットワークが生み出した『ネットことば』による『書きことば』の衰退が原因ではないかと思い至ったんです」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」