「民族でも国家でもなく」李鳳宇、四方田犬彦著

公開日: 更新日:

 在日2世の李氏と、70年代に軍事政権下のソウルに滞在経験がある四方田氏。長年、交流を続けてきた2人が、近年の険悪な日韓関係を見据えながら話し合う対談集。

 国籍は「僕にとっては、利便性を優先した個人の認証でしかない」と語る李氏は、最近、仕事上の都合で日本の国籍取得を考えているという。その国籍取得を通して、国家保安法を維持して在外韓国人にまでそれを適用する韓国の抱える矛盾に一石を投じたいと。

 そうした在日韓国人と韓国人の関係から、在日社会を目の敵にする「在特会」の活動、北朝鮮との向き合い方、さらに映画についてなど。縦横無尽の話題を語りながら、世界を変えるためにはお互いにどうすればよいのかを考える。(平凡社 2000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る