「民族でも国家でもなく」李鳳宇、四方田犬彦著

公開日: 更新日:

 在日2世の李氏と、70年代に軍事政権下のソウルに滞在経験がある四方田氏。長年、交流を続けてきた2人が、近年の険悪な日韓関係を見据えながら話し合う対談集。

 国籍は「僕にとっては、利便性を優先した個人の認証でしかない」と語る李氏は、最近、仕事上の都合で日本の国籍取得を考えているという。その国籍取得を通して、国家保安法を維持して在外韓国人にまでそれを適用する韓国の抱える矛盾に一石を投じたいと。

 そうした在日韓国人と韓国人の関係から、在日社会を目の敵にする「在特会」の活動、北朝鮮との向き合い方、さらに映画についてなど。縦横無尽の話題を語りながら、世界を変えるためにはお互いにどうすればよいのかを考える。(平凡社 2000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ