• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

青春がしみじみよみがえる読後感

「東大駒場寮物語」松本博文著(KADOKAWA 1800円+税)

 ボロイ、汚い、薄暗いのネガティブ要素満載とされた東京大学駒場キャンパスに2001年まで存在していた寮の歴史と、そこに住んでいた人々が織り成す数々の珍事件やバンカラ騒動を、しんみりとした筆致で記したノンフィクションである。「オレたちの税金で安く住みやがって、このクソ特権階級東大生どもめ!」といった感覚を持つ方もいるかもしれないが、そう言わずに本書を読んでいただきたい。というのも、今のオッサン、爺さんが経験したような古き昭和のバンカラ学生生活が、そこには描かれているからだ。

 東大というバイアスを持つことなく読み続ければ、「オレにもこんな時代があったなぁ……」と懐かしがる感覚を抱けるだろう。印象的なシーンを紹介する。駒場の商店街にあった寮生御用達のそば屋「山口屋」が量を減らしたり、値上げをした時のエピソードだ。
〈寮内では「山口屋対策委」という、大仰な名前の委員会が立ち上げられた。委員会は寮生にアンケートを取って、その結果をもとに山口屋と交渉する。山口屋の店主は、さぞびっくりしたことだろう。その結果、値段やボリュームは、以前のままに戻った〉

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もし破局したら…“恋愛露出狂”剛力&前澤社長の未来予想図

  2. 2

    逸材ゴロゴロ 夏の甲子園“契約金1億円”ドラ1候補7人の名前

  3. 3

    進学説の真偽は…金足農・吉田輝星めぐるプロ争奪戦の内幕

  4. 4

    キムタクは“御一行”で…被災地を単身訪れた斎藤工との差

  5. 5

    ガッツポーズ禁止と熱中症“美談化”…球児を潰すご都合主義

  6. 6

    カネと欲望がうごめく甲子園 ネット裏“怪情報”<上>

  7. 7

    剛力彩芽へ助言…私生活をSNSにアップする女優は伸びない

  8. 8

    まるで炎上商法 “超人ショー”と化した24時間TVの存在価値

  9. 9

    安倍首相が異例の神社参拝3連発 総裁選に不安で“神頼み”

  10. 10

    剛力は助言無視で再炎上…救えるのはバナナマン日村だけか

もっと見る