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坂崎重盛編集者、エッセイスト

1942年、東京都生まれ。編集者、エッセイスト。千葉大学造園学科で造園学と風景計画を専攻。著書に、「東京煮込み横丁評判記」「『絵のある』岩波文庫への招待」「粋人粋筆探訪」など多数。BSジャパンの「酒とつまみと男と女」に出演し、不良隠居として人気に。

「図解ワイン一年生」小久保尊著 山田コロ/イラスト

公開日: 更新日:

穴だらけだった知識を埋めてくれる入門書

 図解入門書が好きだ。哲学、心理学関連本で味をしめている。学者、専門家による中途半端な文章より、構成も解説も親切丁寧で本としてのレベルが高かったりする。

 で、今回はワインの世界の図解入門を手にした。

 べつにワインに特別、こっているわけでも、通ぶるはずもないが、50年近く酒場に出入りし、ましてやバブルの時代を通過した人間なので、多少なりともワインを楽しむ時間は重ねてきた。

 ワインバーを営む友人も何人かいる。そんな店に通いつめるうちに、ブルゴーニュのワインを造り手で選ぶくらいの知識は、いつのまにか身についていた。

 泡系でも、シャンパン、スパークリング、スプマンテ、カヴァ……の違いぐらいは当然のことわかる。

 そんな、ぼく程度の付け焼き刃的ワインファンに、この「図解ワイン一年生」がピタッときた。

 人間の知識というものは、放っておけば、じつに偏ったものであることが、このワイン入門書によって、やさしく悟られる。たとえば、ブドウの品種と料理の相性など、当然、知ってたはずのことがらが、穴だらけであったことを知らされるのである。

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